大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
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USTREAMで生放送のテスト
みなさまGWはいかがお過ごしですか? 私は毎年恒例でお仕事です。


さて、この忙しい最中にやらんでも…とは思ったんですが、「疑問点を残したまま放置しない」という私自身の方針のもと(笑)、以前から気になっていたUSTREAMのテストをしました。

20100505-4.jpg


私がインターネットを始めたのが1996年。当時は14.4kbpsのアナログモデムで、インターネットの家庭への普及率は1~2%。まだ多くの人がインターネットを知らない時代でした。

また、私とインターネット映像配信の繋がりは古くて、1998年頃には56kbpsのストリーミング映像中継でカメラマンをしたことがあります。とても小さい画像サイズでフレームレートも低かったので、見やすいように色々と考えて工夫した記憶があります。

その後、放送番組やVP制作などと並行して黎明期のインターネットストリーミング中継や映像を用いたEラーニングコンテンツ制作の仕事を色々と経験しました。

CD-ROMへ映像収録する場合やISDN回線経由など、パソコン用ビデオの画質が悪かった時代、見やすい撮り方や編集の間合い、圧縮エンコーダーの設定や音声レベルなど、ずいぶん研究して努力してきました。当時は同じ方式でも設定が各社各様で、画質や音質の優劣の差がとても大きかった時代でした。

現在でもインターネットストリーミングでは放送規格や番組交換基準のような運用上の統一基準が存在していませんが、視聴環境の調査を含めた黎明期からのノウハウの蓄積は今でも役に立つことが多いです。
基本的に弊社の運用基準は公開していませんが、個人的な関係がもとで、某放送局さんのWeb映像配信の運用規定として弊社の運用基準の一部を採用していただいています。(技術的には大した内容ではないですけどねw)

また、IP伝送がサービスとして提供され放送局での使用が一般化する以前、ライブストリーミングをラジオ(地上波)の生特番の伝送(中継先→受けスタジオ)の予備予備回線として利用した事があります。
(メインはスタジオと中継先での掛け合いが可能なNTTの臨時専用回線を使用する中継用の音声コーデックを使用しましたが、場所の関係で臨電の回線状況が安定しない場合はバッファーが長いぶんWME経由のほうが一方向の伝送路としては安定していた事もありました)

その後、ADSLが一般的になり、WindowsMediaやFLASHなどで映像とデータをリンクさせたりする複雑なエンコードが出来るようになってきた頃から映像制作会社と専門のWeb制作会社が分業するようになったように思いますが、画質に関わるエンコーダーの設定は、現在でも映像制作会社のほうがノウハウを持っている場合が多いですね。

ただ、映像ファイル圧縮のノウハウは、一般的なプロの映像制作現場の技術だけではカバーできない要素がけっこう重要なので、現在でも映像制作会社によってエンコードの得手不得手の差は大きいようです。うちは得意ですよw


現在では携帯電話でも動画は珍しくなく、YouTubeやVimeoでインターネット動画はHDが当たり前になっています。
また同時再生数や転送量が莫大でなければ、専用の映像配信サーバーを使わなくても自社サイトに映像ファイルを置くだけで映像配信が可能です。

しかし、実はごく最近まで「生放送」となるとちょっと敷居が高かったんです。

ごく簡単に説明すると、WindowsMediaEncoder(マイクロソフトが配布している無料エンコードソフト)では、設定次第でエンコードしているPCからインターネット経由で直接生放送が出来るんですが、映像入力に使えるキャプチャデバイスが限られていたり、WindowsMediaServer(配信サーバー)を経由させないと同時に多数の視聴者には対応できない問題がありました。
また、リアルメディアでは接続数に応じたサーバー契約が必要で費用がかさむデメリットかありました。

インターネットで映像の「生放送」をしようとした場合、どうしても配信サーバーが必要になるんです。

無料のサービスでは配信トラブルがあってもいつ会社が消えてなくなっても文句は言えないので(笑)基本的にお仕事ベースでは使えませんが、無料ではなくリーズナブルな価格で業務にも使える有料配信サーバーはこれまでほとんど存在していなかったので、USTREAMの登場はライブストリーミングの業界に変革をもたらすかもしれません。ニコ動も同様ですね。


というわけで、USTREAMでどの程度の生放送ができるのか実験してみました。

20100505-5.jpg


…今日の収録現場への出発時刻が迫ってきたので端的に書きます =3

USTREAMのアカウントを登録。
パソコンにAdobeが無料配布しているFlash Media Live Encoder(Win/Mac向け両方あり。以下FMLE)をインストール。

USTREAMの画面からサーバー設定のxmlをダウンロードしてFMLEでプロファイルを読み込みます。
ごく簡単な設定で配信サーバー(Flash Media Server)への接続が出来ました。

配信映像のサイズやビットレートはFMLE側の設定が優先されます。
今回はH.264ではなく、より多くの人が視聴しやすいVP6で色々なサイズ、ビットレート、画面アスペクトのテストしました。

色々テストしつつ、最長で連続3時間ほど継続しましたが、一時的にコマ落ちが発生したものの、適切な画像サイズやビットレートに設定していればリンク切れや接続のリセットは起こりませんでした。配信サーバーの状況にもよると思いますが、安定していますね。

20100505-2.jpg

さすが圧縮効率の良いVP6。同じビットレートでも他のコーデックより見た目が良いです。

WindowsMediaではライブストリーミングで一度も切れたりしていないのにいつの間にかディレイが増大していって1分以上になることがありましたが、今回、Flash videoのライブストリーミング配信で確認できたのは数秒から10秒程度のディレイでした。


そして、私にとってはここが必須の部分ですが、USTREAMではFMLEが認識するビデオキャプチャデバイスを使用すれば、WebカメラやUSBカメラだけでなく、外部から入力した映像と音声を配信できます。WMEより対応できるキャプチャデバイスが多いようですね。

弊社のような映像制作の制作技術会社が関われば、マルチカメラのスイッチング映像(テロップ付き)とミキサーからの音声入力で、放送番組のような生放送が可能になります。

実際の配信映像。設定次第ではけっこう綺麗です。
20100505-1.jpg
(圧縮による映像の破綻やコマ落ちを確認する動くカラーバー)

映像はH.264かVP6、音声はmp3だとステレオにしてサンプリング周波数やビットレートも自由に設定できるので、音楽ライブなどの映像配信で音質を重視したりする事も可能です。

低予算でのイベント中継や、長時間の学会などの中継に便利そうですね。
同時接続クライアント数や利用時間帯による安定性など、さらに確認と検証を続けて行こうと思っています。

ライブストリーミング放送も(方式を問わず)弊社におまかせあれ!


映像制作/音響制作/制作技術
株式会社 写楽 www.sha-raku.co.jp



5/7追記。

翌日、H.264による試験放送を連続6時間行ないました。
一度も切れず、問題は何も起こりませんでした。

Flash Media Live Encoder、Flash Media Serverともに安定しています。

USTREAMスバラシイですね。
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2010/05/12(水) 22:13:49 | | # [ 編集 ]
WebのRefレベル
コメントありがとうございます。

このあたり、現場のプロでもしっかり認識していない人が多くて大変ですよね。地デジでも各社で考え方がバラバラだったりして、現状では問題が多いです。
ただ、ARIBで規定しようと努力されている方がいらっしゃるので、OAがまともになるのは時間の問題だと思います。

しかしWebでは条件が違うので、地デジで策定されるであろう運用規定は役に立たないと思います。ラウドネスメーターもなかなか使えないですし。

Webでは他社がモタモタしているうちに(笑)、うちの会社は先陣を切ってきっちりやっていこうとがんばっています。


さて、Webでの具体的な運用レベルは音楽かトークか、また配信先や演出によっても変わりますが、ノートPCのスピーカーやもっと小さなモバイルデバイスで視聴される事を考慮に入れると、「テレビ放送では許容できるオフマイク」「テレビでは許容できる騒音下でのガン収録」は成立しないと思います。 …これも有効Dレンジを測定しないといけないですね。

携帯動画は某社の動画配信サービス(現在は終了)の時代から関係していますが、今でも映像・音声ともかなり気を使いますね。


PC向け配信の音声レベルに関してですが、とても分かりやすい指標としては、多くの一般の方はUSTやYouTubeを見るPCで市販CDを聞いているということです。

しかし、ダイナミックレンジ圧縮機能を使わずDVDをそのままのレンジでPC視聴されている方もいらっしゃるので、クリップ寸前ばかりが良いというわけでもなく難しいところですが、Windowsデフォルトの効果音などの音量もひとつの指標になると思います。
他の音源と落差が大きすぎない設定がオヌヌメです。

Ref=-8.5dBFS。僭越ながら仕事目線で言わせていただくと、なぜ-9でも-8でもなく-8.5なのか。-8.5dBFSが表示できるメーターとは?(-8.5dBFSを0VUに設定? VU計ではピークが…)
先日、どこかの業界関係者がUSTで座談会をしていたんですが、マイクが少なくて遠いうえにリミッターがきつく掛かりすぎていて、しょっちゅうクリップして割れてて不快な音声でした。
また、コーデックや環境によってはフルビットに達しなくても内部処理でクリップしちゃうのがあります。
Ref近辺のキープとケバ取りにはコンプとリミッターは必須じゃないかなぁ…

などなど、小一時間ほど問い詰めたいところですが(笑)、その近辺がRefレベルとして出てくるあたり、流石だと思います。


また、PA兼務で配信音声が放置プレイであれば、配信用にコンプをうまいこと2段掛け(2台使う)しておいたりすると良いと思います。無ければ仕方ないですが、コンプはハードウェアを持ってて損は無いと思いますよ。

1段目をアタック・リリースとも遅くして少し深めにかけてAGCのようにして、2段目でメリハリを付けて立たせつつレベルを揃える感じです。あくまで緊急手段ですが、私は長尺のマルチトラックのトラックダウン(クラシック以外の音楽)などで一部の音源に(簡素化のため)この手を使うことがあります。2段掛けで持ち上げすぎず叩きすぎずのよきところを探してみてください。

ダイナミクスの2段掛けはこのところ国内の局で流行している英国製の放送向け某デジ卓では全チャネルで可能! ゲートやエキスパンダーにも変更可能。いいなあ。

以前紹介したソフトウェアのマルチバンドコンプ(リアルタイム処理)なら1系統でなんとかなると思います。
2010/05/12(水) 18:49:01 | URL | 管理人 #SFo5/nok [ 編集 ]
Ustのオーディオリファレンスレベル
こんばんは、linear_pcm0153です。

奇遇なことに、今度、Ust配信を同時に行うイベントがあります。私はPAで参加です(笑)
ストリーミングはまぁ、何となく大丈夫なのですが、問題なのがオーディオリファレンスレベルです。
-20dBFSなんて、もはや一般の方には「なんでこんなに音量低いの?」としか思われないです…。音圧低wwwとかコメきても嫌ですし…。
ストリーミング配信オペレータが不在なので多少のクリッピングには目をつぶるとして、リファレンスレベルを何dBFSに設定しようか悩んでいます…。
これ、みんな悩む問題だと思うのですが、なにか秘訣があればご教授ください…。

※とりあえずref=-8.5dBFSで行こうと思います。生楽器ではないのでコンプは特に考えない。商業ではないのでトライアルということで…きっと糧にはなるでしょう…
2010/05/12(水) 00:45:43 | URL | linear_pcm0153 #- [ 編集 ]
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