大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
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ひさしぶりのステディカム (STEADICAM JR. )
さて、VTRのネタは1回お休みで、今回はSTEADICAM(ステディカム)です。

ご存知の方も多いと思いますが、ステディカムというのは移動撮影に使う機材で、やじろべえの原理でカメラを保持する事で、歩いたり走ったりしながらでもブレの無い安定した映像を撮影することができます。けっこう慣れないと思い通りには撮れないですけど…。

原理が単純なので、今では色々なメーカーから似たような製品が数多く販売されていますが、私が持っているのはハンドヘルドカメラ用の機種で、「STEADICAM JR.」というものです。(シネマプロダクツ社時代のもの)
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小型カメラ用ですが、撮れる映像は大型カメラ用と大して変わりません。

移動撮影用の機材は、古くからレールやドアウェイドリー(ゴムタイヤで方向ハンドルの付いた台車のような形のもの)、パンサードリーなどが使われてきました。
レールは直線、円や円弧など正確な動きを何度でも再現できますが、物量が多くて設営に人員がたくさん必要なうえに微調整が大変だったり、レールが写ってしまうので地面を写せないという欠点があります。またドリーはレールと比べるとけっこう自由が利きますが、段差は通過できません。また、地面に凹凸があると揺れてしまうという欠点があります。

一方、ステディカムはレールやドリーでは不可能な人ごみの中や階段の移動など、人が歩ける場所であればほぼどこでも使用できます。レールやドリーが得意とするゆっくりとした重厚な動きには向きませんが、機敏な方向転換や浮遊するような移動感覚は他ではなかなか得られません。
人や車の往来がある場所を出演者を追従しながら縦横無尽に移動したり、クレーンが入れない屋内の階段での移動ショットなどではステディカム以外に選択肢はありません。
また、床や地面がレールやドリー、クレーンの重量に耐えられないような場合もステディカムの出番です。

(もちろん、ステディカムは万能ではなく、レールやドリー、クレーンならではの良いところもあるので、適材適所で選択することが大事です)

ステディカムの使用例 (携帯電話会社のCM) (前半15秒)

この条件ではレールは写ってしまうので使えません。ドリーでは歩道と車道の段差(スロープ)でNG。大型のクレーンでは電柱があるので動きとして無理があります。(クレーンのベース部分にレールを敷くような超大掛かりな方法をとれば可能かもしれませんが、実際の街中では無理でしょう)(12秒あたりのところで並んでいる人たちの隙間を通るところがありますが、モーションコントロールのリモートヘッド付きクレーンだったとしても危険です)
この条件はまさにステディカムの独壇場。 通常、ステディカムは抑えようとしたらもっと安定するもんなんですが、このシリーズCMでは演出としてわざと揺れを残している感じもありますね。


何年か前、某大晦日の歌番組で歌手の周りをぐるーっと回った後、カメラケーブルがひっかかってマイクスタンドが倒れた事件がありましたが、そういえば、あれもステ○ィカムでしたね…。

ステディカムの発祥は1973年にアメリカのカメラマン、ギャレット・ブラウンが不整地や群衆の中で安定した撮影をするために作った「ブラウンスタビライザー」。
当時、ブラウン氏(写真左)は錆付いたレールと重い台車を使った撮影が苦痛だったんだとか。
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(c) www.garrettbrown.com

翌1974年にシネマプロダクツ社が権利を買い取って「ステディカム」と命名。その後、1975年の「マラソンマン」、1976年の「ロッキー」、1978年の「シャイニング」などで使用され、1978年にはブラウン氏とシネマプロダクツ社がテクニカルオスカーを受賞、以後、ステディカムは映画やテレビなどで幅広く使用されるようになりました。
2000年にTiffen(アメリカを代表する写真用品メーカー)がステディカムの権利を買い取り、現在はTiffenが開発と販売を継続しています。
またブラウン氏は、ステディカムの他にも(日本ではコンサートやスポーツ中継などでも使用されている)「スカイカム」など様々な機材を開発しています。ブラウン氏は2008年にカメラマンを引退したそうです。

(ステディカムの歴史については以下を参照しました)
INTERNET ENCYCLOPEDIA OF CINEMATOGRAPHERS (NED)
The Irish Film & Television Network (IRL)


さて、私が持っているSTEADICAM JR.ですが、何を隠そう、高校生の時、16年前に購入したものです。 説明書は英語版しかなく、当時はがんばって読みました。(笑)

16年も前、しかも高校生の時に大枚をはたいてステディカムを買ったなんて…。いまさらながら、自分でもちょっと笑ってしまいます…。

ステディカムは現在も使用するカメラの大きさなどにあわせて様々な機種が販売されていますが、原理は同じですから、古いJR.でも乗せるカメラさえ新しいものにしてしまえば全く問題なし。
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もう何年も使っていなかったんですが、今度、とある仕事で「隠し球で使ってみようかな~!?」と思い立って、HDVの小型カメラ(HDR-HC1)を乗せてみました。
(使わないSTEADICAM JR.本体の液晶が開いてしまわないように輪ゴムで止めて、HC1にはクイックシューも挿んでいます。HC1は底面をフリーにしないとテープ交換が…)

16年前に買ったJR.ですが、一番大事なジンバル部分のパーツは現行品と同じようです。
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(左)現行のSTEADICAM MERLIN  (右)STEADICAM JR.

新しいのを買わなくてもOKみたいですね。(^^♪


さて、ひとつ問題が…。

大型用では重量の関係で標準仕様でセットになっているものの、購入した当時、小型カメラ用ではアームベスト(上半身に装着してステディカムを支えるサポートアームが付いてるやつ)が無かったので(たぶん)、STEADICAM JR.では全重量が手首と腕にかかります。

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16年前と比べ、カメラは軽くなっているはずなのに、昔より重いのです。
(個人の感想です)

調整のために持っていても、だるくなるのが早いです…。うーむ。

まあ、できるだけ大げさにしたくないんで、ベストが無きゃダメだとは思わないんですけどね。今回はステディカム撮影がメインじゃないんで、手持ちでエクストラをちょっとだけ撮ろうかな~。(消極的な逃げ…)


17歳の時の握力が(右)54kgで、20歳の時が(右)43kg、平均的な数値らしいですが、17歳から20歳までに11kgも低下しています。一年でおよそ3.7kg減。 ということは、32歳の現在の握力は「-1kg」という事に…。(あほか)

しかし、確実に握力は減り、体重は増え、体重は増え…。
16年て恐ろしい…。
コメント
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2010/03/05(金) 01:00:30 | | # [ 編集 ]
コメントありがとうございます
> 初めて仕事で行ったVP撮影がなぜかステディカム撮影でした

それはすごいですね。

大型タイプのステディカムは必ずボディスーツ(ベスト)がありますが、ENGカメラや16mmカメラまでならなんとか常人でも耐えられますが(!?)、慣れないとなかなか思い通りには動かないです。姿勢が悪いとカメラが体から逃げていく感じ…。

ステディカム専門のカメラマンは力持ちの方が多いですね。腰痛持ちになってステディ引退される方もいますけど…。

以前は認定だったか研修だったかを受けて資格を持ってないと「ステディカムは使えません」みたいな話を聞きましたけど、最近は他社製もたくさん使われている関係か、めっきりそういった話を聞かなくなりましたね。(どうなってるんでしょう?)


ジャイロスタビライザーとはまたマニアックな。。私は確か展示しか見たことがないですが、ルックスがあれなので空港の手荷物検査なんかでは怪しまれそうですよね。(笑)

中がどうなってるか分からないのですが、全方向に対して慣性が働くようになっているんでしょうか? 

ジャイロスタビライザーは私の周囲で保有している会社さんを全く知らないので話にも聞いた事が無いですが(泣)、どのくらい効果があるのかは試してみたいですね~。
2009/07/16(木) 17:04:13 | URL | 管理人 #SFo5/nok [ 編集 ]
ステディカム
こんばんは、linear_pcm0153です。
自分は初めて仕事で行ったVP撮影がなぜかステディカム撮影でした(笑)
カメラマンの方が大変そうでしたけど世の中には面白いものがあるなぁ、と感激した覚えがあります。

カメラ用の1/4インチネジに付くジャイロ効果でブレを防止するスタビライザ(KS-4)がありますが、あれも実物触って結構ビックリしました。回転するハードディスクでも同じ感覚が味わえますが、撮影技術に転用したあたり凄いです。
2009/07/15(水) 23:35:28 | URL | linear_pcm0153 #- [ 編集 ]
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