大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
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ふるーいVTR(統一Ⅰ型VTR) 復活への道 (その4)
さて、シリーズ化してしまった古いVTRのネタです。

前回、50Hz専用の統一1型オープンリールVTRを60Hz(商用電源)と50Hz(矩形波インバーター)でテストした様子をアップしましたが、ブログを見てくださっている方から「いきなりテストして動いたんですか?」とご質問をいただきました。

えー、実は前回のブログではかなり飛ばしていた部分があります。ちょっと順序が逆になりますが、省略していた部分をご紹介しようと思います。

ぶっちゃけますと、私の場合、(周囲の)同業さんと比べると、新旧、映像・音声問わず機材に関して多少マニアックな部分が多いので(笑)、あんまりややこしい方向に行き過ぎないようにと省略していたんですが、このブログは私の想像以上に様々な方面の方にご覧いただいているようなので、一応、技術屋(私は使ってお仕事するほうがメインですけど)のブログとしては後学のためにも変に簡単に見せようとしたりせずにちゃんと書く事にしま~す。反省…。(笑)

VTRの機構などに関しては「小型VTR 統一型のしくみと録画の実際」(1972)と「新テレビジョン技術教科書」(1964)。それから同年代の国内外の放送機器メーカーの他の規格のVTRのカタログや仕様書 (何でそんなものが色々とあるかは機会があれば…)、その他、海外の筋金入りのマニアさんのWebサイトなどを参考にしています。 (私自身は1977年生まれですよ。)
20090710-4
機種は違うものの、当時のVTRの例を見ることが出来たのでかなり参考になりました。
20090710-5


まず、2月に書いた分解清掃ですが、本体上面のテープ走行機構に続き、お掃除の続きがありまして…

ひっくり返してカバーオープン~。
本体カバーは木製でした。時代を感じますね~。
20090710-3

ヘッドディスクモーターとキャプスタン用(兼その他のテープ走行系用)のモーターが2つ(2つともシンクロナスモーター)。それから電源トランス(50Hz用)と基板が大きく分けて(映像変調・復調、サーボ・トラッキング?、、音声、不明など)5枚ほどありました。掃除機にブラシをつけて、部品を曲げたりしないように気をつけながらお掃除していきます。それにしてもすごいホコリ…。
木の葉も2枚出てきました。(・・?)
20090710-1

ヘッド回転用モーター(右)とヘッドディスクの軸です。ベルト駆動ですがベルトは伸びたりしていません。試しに触れてもかなり良いテンション。水拭きしたら新品と区別が付かない感じです。
20090710-2
ヘッドディスクの軸に付いているのはブレーキサーボ用の電磁ブレーキでしょうか?

さらに、計100個ほど使われているコンデンサーは一つも膨らんだり液漏れしたりしているものがありませんでした。
これを見ると他のオーディオ機器や映像機器のベルト切れとかコンデンサーの容量抜けはいったい何なんだと思ってしまいますね…。


一つ訂正があります。これまで海外の数ヶ所のWeb情報を鵜呑みにして、「まあそのあたりかぁ…」ということで何度も「1971年製のAV-5100」と説明しておりましたが、基板を見てみると…
20090710-6
昭和44年。1969年に作られています…。 確かに、統一Ⅰ型の発表は1969年です。すいませんでした~。
とういわけで、37年前ではなくて、まさに40年前のVTRです。


さて、このVTR、使わなくなってからかなりの年月が経っています。
実際にテープを再生してみる前に、電源が入るか、また映像出力などが出るか(基板が生きているか)テストをしてみます。

とりあえず60Hz電源ですが、電源は入りました。
余談ですが、使わなくなっておよそ4年ぶりに通電してみたBVP-70ISのように白煙は出てきませんでした。(笑)
次に、テープの有無を検知するスイッチを手で押さえて再生動作のテストをしてみました。
おお~。左右のリール(巻取り、バックテンション)、キャプスタンもヘッドも良い感じ~。

しかし、映像出力は砂嵐が不定期に途切れ途切れになります…。 砂嵐、真っ黒、砂嵐、真っ黒。
むむ~。テープを実際に再生してはいないので画像は出ず、無変調の砂嵐の状態を見ての判断なので微妙な感じでしたが、コンデンサー不良なんかでの挙動と言うよりは、どこか何か接触不良の感じ…。

VTRの外装をトントン、トントン、…バシィッ!!とひっぱたくと状況が変わります。やっぱり…。
と言うわけでハンダのクラック(接触不良)の捜索大会です…。

ヘッドからのケーブルをたどって、それらしき基板を~。
20090710-8
ケーブルが直接ハンダ付けされているので外せません…。

見ても分からなければ色々と突っついてみましょう。ツンツン。 (感電注意)

意外と早く、10分もかからずに判明。右下のボリュームの根元でした。
20090710-9
(後で判明したことですが、このVRはホワイトクリップ調整用のようです)

と言うわけで、モーターや機構、基板は生きている模様。次回はテープをかけてみましょう。




あ゛~、汚い機材の内部写真ばっかり見ていると精神衛生上よろしくありませんね。

というわけで、記事とは関係ありませんが、秋田県にかほ市、平沢漁港で
撮影した美しい夕日をどうぞ。('06/3 A7D 100mmMACRO F2.8)
20090710-10
きれいですね~。
コメント
コメント
コメントありがとうございます
映像も音響もそうですが、機材って新しいものを使い出すと(古いものはメンテも必要ですし、物自体が必要なくなってしまうので)ほとんど誰も振り返ることはありませんが、意外と旧式機材で記録したメディアなんかは企業や家庭など、色々なところに残ってしまうものなんですよね。

実際に使っていた人の記憶も薄れて行き、人も世代が変われば先人たちの試行錯誤やノウハウはほとんど完全に失われてしまいますが、誰かはそういった事を残すための努力をしなくてはいけないと思っています。
温故知新な部分もけっこうありますし、けっこう面白いですよ。

それほど多くは無いのですが、テレビ黎明期、カラー黎明期の映像機材、音声機材の資料は、あるOBから譲り受けたものです。やはり当時の事情などをまとめた資料や本が存在しないので、貴重な資料だと思います。
前述の統一型VTRの解説本は、10年近く前に京都の古本屋で見つけて買いました。やっぱりマニアですかね…。

OBからは、その他にも色々と面白い話を聞きました。昔は某県の地上波中継局が本局の放送波から8段下まであって、どこかが壊れると以下が全滅したそうです。そんな時は各所の一般家庭に電話して故障箇所を特定して急行したんだとか。
( '09 7/17追加:現在は北海道の局などではIP接続の監視カメラで送信所や放送画面の確認をしているそうです。)

OBさんには他にも面白い話をたくさん聞きましたが、今ではもう聞けません…。


私の父は骨董好きですが(笑)、私はアンティークに特に興味があるって訳ではないんですけど、お仕事上、昔のフォーマットの再生の依頼を受けることはわりと多いです。

古びたテープでも、それに記録されているのは他には無い貴重な記録であったり、または思い出だったりしますから、技術屋としては可能な限り対応したいと思っています。

(AKAIの1/4インチオープンVTRは完全に故障して廃棄してしまったんですが、現在もVTR本体を探しています。情報求む)

U-Maticやベータマックスはちらほら、最近は8ミリビデオも再生機が無いとの事でダビングを依頼されることが増えてきました。(旧規格に関しては全く宣伝してないんですけど、けっこう問い合わせがきます)
このあたりはBVU-800、EDV-8000、EV-NS9000などを複数キープ(たまに動作確認して故障してたらメーカー修理)しています。
しかしBVU-800はメーカーメンテが終了してしまいましたね。他も交換基板がなくて、最近はチップ交換の修理になってきているようです。
('09 7/17追加:久々にテストをしてみたらBVU-800がローディング不良を起こしました。カム部のグリスが劣化していたようだったので、掃除してからストックの専用グリスを塗り塗りして3時間かけて復活しました。メンテ履歴からしてたぶん15年ぶりくらいの塗り替えになったと思われます。倉庫は24時間空調管理しているのに、なかなか先が思いやられますね…。)

以前、某所で2インチVTRや1インチVTRを廃棄する際、「持って行って良いよ」と言われたんですが、あまりに大きくて遠慮してしまいました。今となっては引き取っておけば良かったと思っています。

アナログのベータカムSPも一時期完全に廃止してしまったのですが、倉庫からダビングし忘れのスモールテープがダンボールで出てきたり、やはり持ち込み素材としても多いので、最近になってBVW-75を再配備しました。

しっかし、世界にはすごい人がいるもんですね。↓↓
元ABC(アメリカ)のVEさん。カメラ中心。
http://www.pharis-video.com/

他にはVTRに詳しいLabGuyとか。
http://www.labguysworld.com/
2009/07/13(月) 16:57:51 | URL | 管理人 #SFo5/nok [ 編集 ]
原正和さんの本
こんにちは、linear_pcm0153です。
私は、原正和さんの「カラービデオカメラとその使い方(1981)」を持っています(笑)
基本中の基本、といいますか、ラジオが設計できる小学生なら大丈夫というか、いまでは若干時代的に電子工作で育った経験がない者にとっては細かい部分は難しい内容かもしれません。
自分は1982年生まれなのでこの本は自分より年齢が上です(笑)
あと、マニアックなのは間違いがないと思います(笑)
2009/07/12(日) 13:08:29 | URL | linear_pcm0153 #- [ 編集 ]
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