大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
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5.1chサラウンドと2chステレオ(その2)
1/29に、弊社では「DVDには5.1chサラウンドと2chステレオ音声の両方を収録しておくべき」と考えているというお話を書きましたが、理由その(1)です。

ちょっと簡単に振り返りますが、5.1chサラウンドは6つのスピーカー、2chステレオは2つのスピーカーで音声が再生されます。

映画DVDではほとんどで、音楽ライブのDVDでもその多くで5.1chサラウンド音声が収録されており、対応するシステムを持っている家庭では、映画館やライブ会場のような迫力ある音で楽しむ事が出来ます。
20090223-1

しかし、この5.1chサラウンドで制作された音声は、そのままでは6つのスピーカーが必要なので、一般的な2chステレオのスピーカーでは正常には再生できません。

6chの音を2つのスピーカーで再生する場合にどうしているかというと、(5.1chサラウンド本来の立体的な効果は失われるものの)左右2chのスピーカー以外から出ていた音を(規定に従って音量を変えるなどしてミックスして)2つのスピーカーから出すように変換することで、後ろのスピーカーの音が消えて不自然にならないようになっているんですね。
このように、規定に従って機械的に5.1ch→2ch変換することを「ダウンミックス」と言います。

この「5.1chがあるとき~」の2chステレオですが、上記のようにDVDプレーヤーなどで「機械的にダウンミックスしたもの」と、あらかじめ「2chステレオとして5.1chとは別に人の手でミックスしたもの」がDVDに収録してある場合の2パターンがあります。

5.1chのみのDVDやBDも少なくないので、ここでは「弊社の意見」としておきたいと思いますが、機械的にダウンミックスしてできた2ch音声よりも、場面や音源に合わせて1シーンごとに人の手で2chステレオとしてミックスしたもののほうが自然で聞きやすく、音楽ライブなどでも狙った音像、良好な音質が保てる場合が多いと思います。

具体的にはダウンミックスではリア成分としてミックスしていた効果音などがやたら大きく聞こえて不自然だったり、音楽ライブでは会場の歓声がやかましすぎたり、5.1chと2chでは表現できる音像の範囲や量が違うので、リア成分の単純な減衰ミックスではなかなか思い通りにならないことがあります。
また、音楽などで低音楽器をLFEのみにアサインするような事をしてしまったら、(ダウンミックスではLFEは-∞で消えてしまうので)ダウンミックスは成立しなくなりますね。

5.1chミックスだけで2chも済まそうとしてしまうと、「ダウンミックス」との両立を重視するあまり、5.1chサラウンドの良さを生かしきれず、2chステレオとしてもあまり良くないということが起こり得ます。

「DVDには5.1chと2chステレオの両方を収録しておくべき」と考える理由のまず1つ は、機械的なダウンミックスよりも、その瞬間やシーンに合わせた人の手による2chミックスのほうが「音質的に自然である」という単純な理由です。

上記はまだ耐えられる場合もあるのですが、ダウンミックスにはもっととんでもない問題があります。
次回は家庭のプレーヤーで実際にどんなダウンミックスがされているか書きたいと思います。




デジタル放送でのダウンミックスですが、デジタル放送で行われている5.1chサラウンド放送のダウンミックスは、L/R(左/右)はそのまま、C(センター)が3dB小さくなってL/Rにミックスされます。前回の説明ではCやLFEのダウンミックスレベルも放送局側の設定によって変えられるような説明をしていましたが、正しくはCは3dB減衰で固定、LFEは-∞で固定となっています。
放送局側の送出設定で番組単位でダウンミックスレベルが可変できるのは、Ls/Rs(Lサラウンド/Rサラウンド)のみで、減衰レベルは 0dB、-3dB、-6dB、-∞ の4値(Ls/Rsとも同値)となっています。LsはLに、RsはRにミックスされてダウンミックスの2ch音声になります。

デジタル放送の5.1chサラウンドを2chステレオとして聞く場合、受信側のテレビのほとんどで規定通りにダウンミックスされるため、また、放送局の制作段階ではダウンミックスした時の音を重視してミックスしているため、とりあえず問題なく2chステレオとして成立している場合が多いと言えます。

デジタル放送では規格上は5.1chサラウンドと2chステレオの両ストリームを放送できるようになっていますが、(2chステレオより予算や人員、必要なリソースが増えるとなると制作からOKが出ないなどの状況があり)現状のサラウンド番組のほとんどでは5.1ch制作、5.1ch音声のみの放送となっています。

サラウンド寺子屋の二次会にて詳しく解説してくださったM様。ありがとうございました。



追記

その後、放送局の方から伺った話では、今は第一音声で5.1サラウンドの場合、多くの場合で第二音声では2chステレオが放送されているそうです。

ほとんどの世帯では第一音声の5.1が自動的にダウンミックスされて2chステレオとして再生されているとは思いますが、やはり自動のダウンミックスが不完全で互換性もイマイチ、機種によって状況がバラバラということが認識されてきた結果でしょうね。

ダウンミックスの弊害については放送においてもDVDにおいてもまだまだ発生している問題なので、時間を作って検証や確認をしたいと考えています。

私自身が忙しいのと、確認しなくてはならない項目や条件、環境がたくさんあるので時間はかかると思いますが、制作側と視聴機器など業界やメーカーを横断的に検証されたことが過去にはまだ無いようなので、やるならやるで色々と調べたいと思います。
メーカーなども巻き込んで仕事として共同検証する事になったりした場合、全てを公開できないかもしれませんが、その場合もできる範囲で公開したいと思います。
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