大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
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キメラかカポックかアンブレラか
キメラ…キメラのつばさ?
カポック …スタートレックに出てた??
アンブレラ…傘?

聞き慣れない方には何の事だか意味不明だと思いますが、全て照明の光をソフトにするために使われる道具のことです。

一般的に映像ロケでは照明の拡散に「キメラ」や「カポック」を使っている会社さんが多いのですが、最近、弊社では「アンブレラ」を使って撮る機会がとても増えています。
でも、アンブレラを使っている映像屋はかなり少数派のようです。
何ででしょうね…。


仕事で使っている大きなビデオカメラ(いわゆるENGカメラ)は、家庭用のビデオカメラと比べるととても感度が良いので、調整次第ではかなり暗いところでも撮影することは可能です。

しかし、重要なのは単に明るいか暗いかではなく、光の当たり方や状態。見た目が明るい場所でも、撮影用の照明を足したほうがきれいに撮影できる場合がほとんどです。
ライティングは映像の質を決める大事な要素のひとつで、撮影とは切っても切り離せない関係なんですね。


特に人物や商品を撮影する際は照明の光をソフトに当ててあげないと影が強すぎてとても不自然になってしまう事があるので、撮影現場では色々な工夫をしています。

女優さんのシワを目立たないようにする専用ライトとか、美白ライトという名前は聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。



照明の灯体に「パラ」(パラフィン紙、トレーシングペーパーのような半透明の紙)を付けることも多いのですが、これは主に光量を落とすためで、拡散効果はそれほど期待できません。見せたくない顔のシワなんかははっきり写っちゃいます。
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美しい方をより美しく、商品などがより魅力的に見えるような照明を当てたい場合には…

「キメラ」(通称)(元はメーカー名)というボックスタイプの器具で光を拡散させたり、
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「カポック」(通称)という白紙張りの大きな発砲スチロール版で反射させたりします。
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顔のシワがシワに見えるのは、光が点の光源または一方向から当たっていて、そこに小さな影ができているからです。ですので、光を色々な方向(広い面)から当ててあげると影がとてもソフトになり、シワが目立たなくなるんですね。メガネのフレームの影も自然な感じになります。

身近な例で言うと、晴天(点光源)と曇り(面光源)の違いですね。


弊社でも以前はキメラをよく使っていたのですが、最近はキメラの出番はめっきり減って、アンブレラ(傘)ばかりを使っています。
20090210-4


なんでアンブレラ?
理由は単純で「品質はそのままにセッティングが早いから」です。
人物撮影など、効果はボックスタイプに全く遜色ありません。

カポックもよく使いますが、照明スタンドとカポ刺しのスタンドが別に必要になったりするのでちょっと面倒なんです。狭い場所では通路がなくなっちゃいます。


従来、弊社で使っていたボックスタイプは1つ組み立てるのに数分かかっていましたが、アンブレラだとあら簡単、バサッと開くだけ。
撮影場所が狭くても、すぐたたんでしまえば邪魔になりませんし、場所を移動するのもとても楽なんですね。

傘のように開ける小型のボックスタイプ(40cm程度で電球内蔵)も売られていますが、サイズが小さく光量も少ないものは小物専用で人物撮影では役に立ちません。離れたら結局点光源になっちゃいますからね。

弊社で使っていたボックスタイプ(80x100cmほど)ではけっこう重量もあったので、スタンドもそれなりに大型のものが必要で、バランスウエイトで調整しないと倒れてしまう事もありましたが、アンブレラはとても軽量なので照明キットの標準スタンドでも問題なく使えます。

さて、そこでおすすめしたいのがこれ。
20090210-5
マンフロットのアンブレラホルダー「026」です。市価5,500円前後。

照明スタンドと灯体の間に付けて、小さな穴に反射・拡散用の傘をを差し込めるようになっています。
このホルダーとアンブレラがあれば、良い感じのライティングが短時間で作れます。

照明キットのスタンドや灯体の接合部(ダボ)は、各社でオス/メスや直径が違っていますが、変換部品は大型カメラ店で扱っていますので、ほとんどのメーカーの照明キットで使用できます。

ただ、アンブレラは基本的に化学繊維だったりビニール系だったりですので、灯体に防熱フィルターを付けるなどして熱には気をつけてください。(各社、防熱ガラス付きの灯体が多いです)
どのメーカーのアンブレラが燃えたり溶けたりしやすく、どのメーカーがよく耐えるのか、ここでは明記しないでおきます。(笑)


弊社で使用しているアンブレラは、内面反射のほかカバーを外すとルーセント(透過)としても使えます。大型スタンドでトップライトとして使う場合など、斜めに固定して内面反射で背景を照らしつつ半分だけルーセントにして頭と肩に当てて輪郭を出したり、灯体のスポット機能で配光をコントロールしたり、工夫次第では単純なボックスタイプより便利なところもあります。

しかし、なんでもフラットな光を当てればそれでOKではありません。面光源で均一に当てただけでは、立体感のない平面的な感じになってしまいますから、被写体や環境、目的によって調整は必ず必要です。

弊社の撮影現場の例 (リンク:プロンプター撮影)の下のほうの写真を見ていただくと分かるのですが、左右で高さと距離が少し違っています。見た目は少しですが、映像上はけっこう差が出ます。
この時は映像の用途の関係でセオリーとはちょっと位置関係が違っていますが、3点照明のキー、フィル、リアの関係が基本になっているのがお分かりいただけると思います。


それから、物(ブツ)撮りで面や点、曲面の反射がある場合(食器、グラス、瓶、金属などなど)では、ボックスタイプのほうが適する場合もよくありますので、そのへんは曇りなき眼で見定め、そして決めてください。
時として、セッティンクが楽だからと言う理由だけでアンブレラを選択すると、写り込む反射のコントロールが余計に大変になったりしますから、本末転倒です。(経験者は語る)
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