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大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
USTREAMで生放送のテスト
みなさまGWはいかがお過ごしですか? 私は毎年恒例でお仕事です。


さて、この忙しい最中にやらんでも…とは思ったんですが、「疑問点を残したまま放置しない」という私自身の方針のもと(笑)、以前から気になっていたUSTREAMのテストをしました。

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私がインターネットを始めたのが1996年。当時は14.4kbpsのアナログモデムで、インターネットの家庭への普及率は1~2%。まだ多くの人がインターネットを知らない時代でした。

また、私とインターネット映像配信の繋がりは古くて、1998年頃には56kbpsのストリーミング映像中継でカメラマンをしたことがあります。とても小さい画像サイズでフレームレートも低かったので、見やすいように色々と考えて工夫した記憶があります。

その後、放送番組やVP制作などと並行して黎明期のインターネットストリーミング中継や映像を用いたEラーニングコンテンツ制作の仕事を色々と経験しました。

CD-ROMへ映像収録する場合やISDN回線経由など、パソコン用ビデオの画質が悪かった時代、見やすい撮り方や編集の間合い、圧縮エンコーダーの設定や音声レベルなど、ずいぶん研究して努力してきました。当時は同じ方式でも設定が各社各様で、画質や音質の優劣の差がとても大きかった時代でした。

現在でもインターネットストリーミングでは放送規格や番組交換基準のような運用上の統一基準が存在していませんが、視聴環境の調査を含めた黎明期からのノウハウの蓄積は今でも役に立つことが多いです。
基本的に弊社の運用基準は公開していませんが、個人的な関係がもとで、某放送局さんのWeb映像配信の運用規定として弊社の運用基準の一部を採用していただいています。(技術的には大した内容ではないですけどねw)

また、IP伝送がサービスとして提供され放送局での使用が一般化する以前、ライブストリーミングをラジオ(地上波)の生特番の伝送(中継先→受けスタジオ)の予備予備回線として利用した事があります。
(メインはスタジオと中継先での掛け合いが可能なNTTの臨時専用回線を使用する中継用の音声コーデックを使用しましたが、場所の関係で臨電の回線状況が安定しない場合はバッファーが長いぶんWME経由のほうが一方向の伝送路としては安定していた事もありました)

その後、ADSLが一般的になり、WindowsMediaやFLASHなどで映像とデータをリンクさせたりする複雑なエンコードが出来るようになってきた頃から映像制作会社と専門のWeb制作会社が分業するようになったように思いますが、画質に関わるエンコーダーの設定は、現在でも映像制作会社のほうがノウハウを持っている場合が多いですね。

ただ、映像ファイル圧縮のノウハウは、一般的なプロの映像制作現場の技術だけではカバーできない要素がけっこう重要なので、現在でも映像制作会社によってエンコードの得手不得手の差は大きいようです。うちは得意ですよw


現在では携帯電話でも動画は珍しくなく、YouTubeやVimeoでインターネット動画はHDが当たり前になっています。
また同時再生数や転送量が莫大でなければ、専用の映像配信サーバーを使わなくても自社サイトに映像ファイルを置くだけで映像配信が可能です。

しかし、実はごく最近まで「生放送」となるとちょっと敷居が高かったんです。

ごく簡単に説明すると、WindowsMediaEncoder(マイクロソフトが配布している無料エンコードソフト)では、設定次第でエンコードしているPCからインターネット経由で直接生放送が出来るんですが、映像入力に使えるキャプチャデバイスが限られていたり、WindowsMediaServer(配信サーバー)を経由させないと同時に多数の視聴者には対応できない問題がありました。
また、リアルメディアでは接続数に応じたサーバー契約が必要で費用がかさむデメリットかありました。

インターネットで映像の「生放送」をしようとした場合、どうしても配信サーバーが必要になるんです。

無料のサービスでは配信トラブルがあってもいつ会社が消えてなくなっても文句は言えないので(笑)基本的にお仕事ベースでは使えませんが、無料ではなくリーズナブルな価格で業務にも使える有料配信サーバーはこれまでほとんど存在していなかったので、USTREAMの登場はライブストリーミングの業界に変革をもたらすかもしれません。ニコ動も同様ですね。


というわけで、USTREAMでどの程度の生放送ができるのか実験してみました。

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…今日の収録現場への出発時刻が迫ってきたので端的に書きます =3

USTREAMのアカウントを登録。
パソコンにAdobeが無料配布しているFlash Media Live Encoder(Win/Mac向け両方あり。以下FMLE)をインストール。

USTREAMの画面からサーバー設定のxmlをダウンロードしてFMLEでプロファイルを読み込みます。
ごく簡単な設定で配信サーバー(Flash Media Server)への接続が出来ました。

配信映像のサイズやビットレートはFMLE側の設定が優先されます。
今回はH.264ではなく、より多くの人が視聴しやすいVP6で色々なサイズ、ビットレート、画面アスペクトのテストしました。

色々テストしつつ、最長で連続3時間ほど継続しましたが、一時的にコマ落ちが発生したものの、適切な画像サイズやビットレートに設定していればリンク切れや接続のリセットは起こりませんでした。配信サーバーの状況にもよると思いますが、安定していますね。

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さすが圧縮効率の良いVP6。同じビットレートでも他のコーデックより見た目が良いです。

WindowsMediaではライブストリーミングで一度も切れたりしていないのにいつの間にかディレイが増大していって1分以上になることがありましたが、今回、Flash videoのライブストリーミング配信で確認できたのは数秒から10秒程度のディレイでした。


そして、私にとってはここが必須の部分ですが、USTREAMではFMLEが認識するビデオキャプチャデバイスを使用すれば、WebカメラやUSBカメラだけでなく、外部から入力した映像と音声を配信できます。WMEより対応できるキャプチャデバイスが多いようですね。

弊社のような映像制作の制作技術会社が関われば、マルチカメラのスイッチング映像(テロップ付き)とミキサーからの音声入力で、放送番組のような生放送が可能になります。

実際の配信映像。設定次第ではけっこう綺麗です。
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(圧縮による映像の破綻やコマ落ちを確認する動くカラーバー)

映像はH.264かVP6、音声はmp3だとステレオにしてサンプリング周波数やビットレートも自由に設定できるので、音楽ライブなどの映像配信で音質を重視したりする事も可能です。

低予算でのイベント中継や、長時間の学会などの中継に便利そうですね。
同時接続クライアント数や利用時間帯による安定性など、さらに確認と検証を続けて行こうと思っています。

ライブストリーミング放送も(方式を問わず)弊社におまかせあれ!


映像制作/音響制作/制作技術
株式会社 写楽 www.sha-raku.co.jp



5/7追記。

翌日、H.264による試験放送を連続6時間行ないました。
一度も切れず、問題は何も起こりませんでした。

Flash Media Live Encoder、Flash Media Serverともに安定しています。

USTREAMスバラシイですね。
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また四国に行ってきました。今度は高松。
ロケと編集に追われてなかなか更新できませんでしたが、出張ネタをひとつ。編集はまだ色々残ってますけど…orz

先日、プロンプター撮影でまた四国に行ってきました。
今度は高松市。今年は公私共に四国にとても縁が深いようです。

数年ぶりの高松駅周辺は再開発できれいで広々とした感じになっていました。ナビの地図とずいぶん違っていたので、このあたりに車で行かれる方は事前にインターネットの地図で目的地を確認されるのをおすすめします。

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今回、音声は有線ピンのECM-77B/9Xがメインで、予備チャネルはMKH-816Pでした。わりと響く部屋だったのでAE5100のほうが良かったかなとも思いつつ、ミキサーは弊社ではおなじみWENDTのNGS-X3です。
このミキサーのS/Nを経験すると、他社のロケミキサーには戻れないです(笑)。

プロンプター原稿はクライアントさんのノートPCからリアルタイムに出力されています。ノートPCを直結する方法だと原稿の修正が早いのでとても便利ですね。 収録は滞りなく終了。


ロケ終わりは恒例(笑)のご当地巡り。まずはクライアントさんにカレーうどんで有名な「鶴丸」さんに連れて行っていただきました。高松のうどんはコシが強くて美味しいですね。

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おでんのカラシは少し甘めで、たっぷりつけると美味であります。

もちろん汁も完食。この後は、さらに飲みに連れて行っていただきました。
M社長様、本当にいつもありがとうございます。


そして翌日は、クライアントさんの飛行機が午後発だったので、技術スタッフも一緒に「四国村」(観光)に連れて行っていただきました。
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たいてい仕事で行くとどこに行ってももとんぼ返りで、どこに行っていたか記憶に残らないことのほうが多いんですが、今回は撮影の翌日を移動日としていて時間があったのでご一緒させていただきました。

さすがに観光旅行じゃないですからあんまりゆっくりはしていられませんが、せっかく行ったならご当地を楽しんで帰らないとですね(笑)。 


「四国村」は地元出身の建設会社の社長が作ったという屋外博物館で、江戸から明治にかけての民家や燈台などの関連施設、農業設備や倉庫、和紙の工房や醤油の醸造所などの産業遺構が四国の各県から移築されて展示されています。

民間が資本を投じてこういった博物館を作ったというのは拍手ものだと思います。今となっては相当数が文化財指定されているようですが、ここに移築されなければ完全に失われてしまっていたものがほとんどでしょうね。
四国村が作られた34年前という時期も絶妙だったと思います。

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資料や写真ではなく実物が残されているのは実に興味深いです。

さすが民間が作っただけあって、入り口近くに吊り橋があったり屋外劇場があったり、なかなか面白い構成になっていました。
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吊り橋は鋼鉄のワイヤーが入っているので頑強ですが、踏み板はところどころかなり頼りない感じ…。
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水面スレスレっていうのもけっこう怖いもんです。
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気をつけないと本当に踏み抜いてしまえる状況になっているのがまた素晴らしい(笑)。


みんなだんだんロケハン感覚になっていって、いつの間にか「ここ、ロケで使えるよね」「(背景の)抜けは…」とか写真を撮りだすのは仕事柄です(笑)。

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四国村は落ち葉の清掃や植物の管理がきちんと行き届いていて綺麗でした。

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私たちは朝一番で行ったので来場者は少なかったんですが、2時間ほど歩いて回ってから出ると、県外ナンバーの車が続々と来ていました。

そんなに歩いた感覚はなかったんですが、携帯電話に内蔵されている万歩計は3,000歩を越えていました。例によって前夜から食べすぎなので、軽い運動になって◎ですね。

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土産物屋さんで売っていた濃厚ソフト(\300)。
せっかく歩いて消費したカロリーを一気に…。

このあと、お約束のうどんをいただきました。


お土産はもちろんうどん。前回は箱買いして帰ったんですが、今回は少し自重(笑)。
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前夜も朝も昼もうどんで、お土産もうどん。家に帰ったらお土産のうどんがすぐに食卓に出てきて、うどんづくしの2日間でした。


映像制作/音響制作/制作技術
株式会社 写楽 www.sha-raku.co.jp