大阪の映像制作・制作技術会社 (株)写楽の社長 木内の気ままなブログです。                    (文章や写真を引用される場合はご連絡ください)
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「一目千本」奈良県 吉野山の桜 (映像あり)
今年4月にプライベートで出かけた吉野山で撮影してきたの映像ですが、編集する暇がなくて延び延びになっていましたが、やっと編集したのでYouTubeにアップしました。

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(今年4月。「一目千本」で有名な吉水神社の宮司さんに、青根ヶ峰からの眺望や「奥の千本」を教えていただいて、はじめて行ったときの写真)

いつの間にか半年経過して秋に…、んじゃ紅葉の吉野とおり混ぜて、と思って時間を作って11月20日の午後から行ってきたんですが、奥の千本は残念ながら少し時期が遅かったようで葉はかなり落ちていました。

という事で予定変更!。の咲いていない画から同じアングルでが咲いている映像にOLさせてみよう! 4月に撮影したカットを参考用に静止画にして印刷して持って行っていたので、同じ場所・アングルを探して撮って来ました。

11/20の午後は平日ということもあってツアー客はいませんでしたが、カメラを持った方やハイカーはちらほら来られていました。
現着が15時前と遅かったんですが、途中、とても人が少ないのですれ違う方と挨拶したり色々お話して情報交換しつつ急ぎ足で撮影してきました。
混雑期の吉野では考えられない静けさで、見かけた観光客やハイカーの方はあわせて20人ほど、途中で再会するとまた挨拶したり、山歩きをしている感覚ですね。

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「なんで枯れ木を撮影してるんですか」と何度も質問されて、「編集で切り替えて…」と説明すること十数回…。

金峯神社の近くでは、暗幕をかぶるタイプの大判カメラを持った外国人女性カメラマンが、コケの生(む)した倒木の上に紅いもみじの葉が落ちてそれに逆光の夕陽が差し込んでいるところを撮影していました。私は横を通り過ぎながら「良いアングル見つけるよなぁ~」と勝手に感心してました。
(落ちた葉が朽ちかかっていたのでイマイチと判断して私は撮影しませんでしたけど、マネして撮っといても良かったかなぁ)


さて、同ポジでの季節変化というと、公○放送さんと英国BB○の共同制作「プラネット○ース」でも使われていた手法ですが、あちらは公共の展望台の地面に杭打ちしてマーキングしたり、モーションコントロールヘッド(雲台)でカメラの動きまで再現していたとの事…。

かたやこちらは当初の撮影の際には同ポジOLなんて考えもしていなかったので、撮影場所も三脚の高さも、レンズの焦点もノーデータ…。カメラの操作もぜんぶ手動です。

の撮影から半年後、印刷した静止画を頼りに勘で調整して同ポジカットを撮影してきました。簡単そうに見えるかもしれませんが、けっこう大変でした…。



小さい画面だとよく分かりませんので、映像をクリックしてYouTubeの画面を開き、「HD」ボタンを押してご覧ください。

天候がバラバラなのは突っ込まず、情景を楽しんでください。カット変わりが少々早めなのはきっとBGMのせいです(笑)。BGMは前回同様フリー音源。もっと違う曲を使いたかったんですけどねー。

自分自身、花鳥風月の撮影はどっちかと言うと得意だとは思っていないので、皆様からの「ここはこうだ」「そこがダメだ」などなど、シビアなダメ出しをお待ちしております。
今回、構成にまとまりがないのは自分でも突っ込みたいと思っているところではありますが…。

目指すは、カメラマンとしてもOA、VP、記録を問わず、どんなジャンルでも(大先輩を飛び越してでも)真っ先に制作さんから指名される事(笑)。花鳥風月も頑張らないと!
今回は三脚使用のフィックスばっかりですが、スイッチングやハンディもおまかせあれ。


撮影フォーマットは1920x1080の29.97pと、スロー用(鳥のカット)が1280x720の59.94p。全カットAG-HMC155ですが、このカメラは同サイズのハンドヘルドの中では発色がとても良いです。CM○Sのハンドヘルドカメラでありがちな(MTXで補正しきれない)YL~MGの色のくすみが無いのがお気に入りです。

AVCHDの24Mbpsは、HDVやXDCAM HD (SP:25Mbps)やEX (SP:25Mbps)と比べると動画解像度が落ちにくく、輝度差が大きい部分などにモスキートノイズが出にくいので良いです。編集はFirecoderBluでCanopusHQ(≒80~130Mbps)に変換してから。AVCHDの24MbpsとXDCAM系のHQ (35Mbps)とでも比較してみたいですね。

シネレンズを使って撮影したHDCAM-SRの映像を見ると綺麗だなあとは思いますが、静止画としては数万円のデジ一以下。F900(HDCAM)でも静止画としてみればコンデジ並。しかし、両方とも撮影機材は大きくて重いので、一人で山を移動するのは無理です。
動画と静止画のカメラを比較するのはナンセンスですが、広い幅で色々な「品質」を見ていると、撮影には「機動性」という要素もとても重要だと感じます。

お仕事の世界では、「被写界深度が浅い」とか、「シネレンズでRAW撮りだから画質が良い」というだけでは「OK」にはなりません。また、一つ覚えのように何でもHDCAMで撮影すればOKでもありませんから、目的や予算に応じて制作面と技術面をどうバランスさせるか。機材選択や人選は作り手の判断力が問われる部分ですね。

ずいぶん前、南アルプスの山中で35mm(フィルム)でCMロケをしていたロケ隊を見かけた事があったんですが、カメラ周りだけでもあの物量と人数では「機動性」とは程遠いと感じました。(CMですから1カット決め打ちでそれで良いんでしょうけど、明らかに過剰な人数が…)

それぞれの業界・分野で長年続く慣習やスタイルがあるのは当然ですし、それが色々な意味で良い場合もありますが、それだけに囚われていては進歩・発展はないと思います。
良き伝統は継承しつつも必要な部分は変えていかなければダメだと思います。
生物の進化でも最終的に生き残るのは一時の多数派ではなく、変化していく環境により上手に適応した生物だそうです。人間は唯一、自分で考えて順応できる生物ですから、やっぱり何事も努力次第ということですね。 (いつのまにか精神論になってる…)(笑)


さて、吉野へは今回は一人で行ったんですが、今回はアルミ三脚のビンテン(Pro6HDVM)を持って行きました。前回はカーボン脚のザハトラー(奥千本の一部はリーベックのLS-22DV)でした。
カーボン三脚に慣れているとアルミ三脚は重たいですね。しかも気温が下がるとアルミ脚は冷たい…。
最近はカーボンばっかり使っていますが、うちの会社の倉庫には三脚とスプレッダーだけで14kgもあるロンフォードベーカー(英国製)のアルミ脚があります。安定感はバッチリなんですが、重くて誰も使いたがりません…。 ここ数年誰も使っていないようです。

しかし、新しい発見としては(笑)、ごく最近のビンテンは10度以下でもほとんど硬くならないんですね。
以前、VPロケなど屋内ばかりで数年使っていたVision11で冬の外ロケ(0度前後)に行った時、トルク「0」なのに超ヘビーになるのを経験してから外ではザハトラーしか使ってなかったんですが…。



11/25追記。
カメラの雨カバーについてご質問いただきました。

このレインカバーですが、米ポータブレイス社のENGカメラ用カバー「ショルダーケース」に付属の「レイントップ」といわれるもので、単品としては販売されていないらしいです。
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ポータブレイス社の雨カバーは、ENGカメラでもハンドヘルドのカメラでも、レンズフードに固定する部分(写真参照)が、マジックテープでサイズ調整可能なうえにネオプレーン素材で密着するので、機密性が高くて浸水もなく、ずれにくくてとても良いです。

うちの会社ではENGカメラ用には主にKATA社製の丈夫なレインカバーを使っているので、ポータブレイス製の「レイントップ」はハンドヘルドカメラ用としてよく使っています。

「レイントップ」とは形状が少し違いますが、ハンドヘルドのカメラには同じポータブレイスの「QS-M4」がおすすめ。
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(C)B&H Photovideo

日本国内ではカメラバッグとセットでないと入手できないようですが、米では単品販売されています。
バッグは他のがあるよ…という方はQS-M4だけ米国から輸入すれば、国内で他社製のペラペラのレインカバーを買うより安いです。(うちの会社でもQS-M4を輸入してHDVカメラで使ってます)

ニューヨークの店舗で「InStock」なら、税関を含めても1週間で手元に届きます。他の製品での経験では、在庫がなくてもポータブレイス社ですぐに作って直送してくれるようなので、最長でも2週間くらいです。
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マルチバンドコンプ
今日はマルチバンドコンプの話です。

前職時代、私がorban OPTIMODの設定にハマっていた(笑)のは過去の記事で書いたことがあったんですが、今日はそれに少し近い話題です。

orban OPTIMOD 8500FM
私がいた局にあったのはこれより古い下位機種でしたけど。
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(C)orban.com

※orban OPTIMOD…
放送局用最終音声(マルチバンド)リミッター。国内のテレビ・ラジオ放送局では8割程度に普及していると言われ、法定で定められた変調度を逸脱しないように制御する役割のほか、放送音量の適正化や音質の色づけに使われています。一部ではテレビの伝送回線(裏送り)用に使用しているところもあります。
設定によって音質が大きく変わるため、FMラジオ放送では音質面でのステーションキャラクターを決める大きな要素になっています。


なんで私が設定にハマっていたのかですが、ご多聞にもれず、どこの国でも地方でも、民放FM放送というと音圧競争で必要以上に大きく聞こえる音(パンパンに圧縮されて詰まった音)が良いとされる傾向があります。そんな状況に個人的には一石投じたいと思っていたんです(笑)。
(私は番組でかける音楽のジャンルによって時々設定を変えていました。当時、他局では例がないと思います。笑)

放送、特にFMラジオ放送では、他局より音楽に迫力を出したいとか、スタジオトークの部分を聞こえやすくするという目的で、各局さんとも常に音量が大きくなる設定が多くなっています。ロケで地方に行った時など、まれにびっくりするような極端な音になっている放送局さんも…。
(これはDOLBY NR-Cのテープをデコード無しで再生してんのか?とか、ステレオエンハンスしすぎで逆相の音像になってる…というような…)

その他、音声多重化したときの設備をまだ使っているなどで、某地方局では日ごとに設備が切り替わると、これで問題にならないの?…というようなひどい音になっていたり…(ry。
まあ、大都市でもピークリミットが甘くてアナログ地上波のステレオ受信がよくはずれるテレビ局も…(ry )


この、放送時の自動音量調整ですが、小さい音量で聞いている時は視聴者が音量調節をしなくても音楽もトークも平均的に聞こえるので便利な面も多いのですが、音楽ではROCKやPOPSでも曲の静かな部分、クラシックでは全般的に必要以上に音が大きくなったりして良くない事が多いほか、ある程度の音量で聞いていると常にやかましくて疲れてしまいます。

一般の方でも、自分が持っているCDとFM放送では同じ音源でもずいぶん音質が違うなあと感じたことがある方がいらっしゃると思います。(公共放送さんのFMを除く)

多少の平滑化とエンハンス程度であれば聞きやすくするための措置としては良いのですが、一般的に設定値は固定なので、常にベストとは限りません。アーティストさんによってはFM放送で音質が変わることをとても嫌っていらっしゃる方もいます。

音楽をミックス(MTR音源をトラックダウン)する際、たいていのエンジニアは曲によってマイクごとやグループ、全体のコンプ・リミッターの設定を変えますが、放送では常に同じ設定で持ち上げてから叩いてしまうので、全ての音源に対して常に理想的な音にはできないんです。

とは言っても放送局に納品される番組やCMはMA済みでも音量はバラバラ。生放送でもミキサーさんによってずいぶん違いがあるので、マスター(主調)での自動音量調整とリミッティングは欠かせません。

最終リミッターでどうせ叩かれるだろうと思って過度なピークを放置していたり全体的に大きすぎると、番組に限らず登録時に必要以上に全て下げられたりしますから良くありません。返品されなかったと安心してはダメで、むしろよく返品する放送局のほうが良心的なんです。(>MAエンジニアのみなさん)
それと、やかましいCMは視聴者の印象が悪いという事を認識しないといけません(>制作さん、代理店さん、スポンサーさん)

「音なんてなんとなく聞こえてりゃいいんだよ」という方針でない限り、リミッティングの設定はどこの局さんも悩むところだと思います。また、自動調整の幅が小さくなった地デジ放送が「聞き取りにくい」といわれるのはまた逆の問題でもあり根が深いですね。
地デジの音量に関しては局間でも色々違いがあるので、アナログテレビ放送のカラー化の際に放送局間で調整を行なったように、地デジの音量に関しても何らかの協議が必要でしょう。
(放置しておくと、受像機側での不完全な自動調整が普及しちゃいますよ!)


というわけで、OPTIMODで実験…。したいところですが、2バンドの最低機種でも80万円ほど。一般的に民放局で使われている機種だとウン百万円ですので、現用で使っていても検証機を用意するのは無理(涙)。 現職時代、私は深夜の試験放送で色々テストさせてもらいましたが、いつでも誰でも簡単に実験はできません。


そこで、何か似たようなVSTプラグインでもないかなあと探していた時に見つけたのがこちら、
単体ソフトの「MultiMAX」(Vector シェアレジで\2,200)です。
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(2005年に購入。現行はVer.3.24です)(wavファイル読込み・出力に対応。オンエアモードでは音声入力への生の処理にも対応)

OPTIMODとは設定項目が異なりますが (一般的なVSTプラグインなどのマルチバンドコンプとも違います)、帯域ごと、設定によって音がどう変化するか試してみると面白いですよ。

このソフトの開発者さんは、オーディオメーカーで家庭用コンポの開発を担当していた時、FMラジオ放送に似たエフェクトを作ったそうで、その時の経験などを生かしてこのソフトを開発されたとの事です。


プリセットがいくつか入っていて、FMラジオ放送でよくあるようなパンチの効いた(苦笑)エンハンスとリミッティングが試せるほか
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自分で作った設定を3つまでメモリーする事もできます。
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(この設定は私が車で音楽を聴く時用の設定です。ちょっとハイ上がりですが、前段のAGC幅が広くてリリースも遅めなのでアタックも潰れすぎず良いですよ~)

音楽のジャンルや曲調、入力レベルによっても最適な設定は変わるので、破綻のない無難な設定を作るのはOPTIMODと同様に簡単ではないのですが、設定内容を理解すれば自然な音量アップも容易です。設定次第では楽曲のマスタリングにも向くと思います。
エフェクター(!?)として設定しても数百万円のOPTIMODにひけをとりません。

古いCDやインディーズCDでは音量やミックスバランスがあまり良いとは言えないものもありますが、MultiMaxを通すと好みの音質で聴きやすいオムニバスアルバムが作れちゃいます。EQとして使っている部分も大きいですね。

当初は車で聴くためのMD作りなんかで使っていたんですが、設定次第ではお仕事でも使えます。

MAの際にはBGMの聴感の統一やナレーション(レベル)のケバ取り、ステムミックスの平滑化などに使うと便利です。BGMのステムミックスへの軽いエンハンス(Lowの音量感UPなど)に使うのも便利です。(ただしパラメーターは手動設定必須で、それぞれ別々にファイル処理)

必ず使うかと言われるとそうでもなく、MAをこのソフトで仕上げているわけでもないんですが、一般的なダイナミクスプラグインとは一味違う効果が得られるのでお気に入りです。
個人的には(サイレント認識やアイドル、バンドごとのリリースタイムなど最新のOPTIMODのような)もっと細かい設定ができたり、NUENDO4で使用できるVSTプラグイン化して5.1chにも対応(chごとパラメーター自由で、リンクもパラメーターごとに指定可能なマニアックな仕様に)してほしいなぁ…と思っています。
Sys○em6000を「あぁ、なんちゃって5.1化がついてるシ○ート向けの?」と一蹴してしまえるくらいに…(笑)。


話は戻りますが、放送番組の納品の場合でも、必ずしも放送局側のリミッターを通さずそのまま電波に乗せてもばっちりな音にしておくまでの必要はありませんが、全国には様々な設定のリミッターが存在していますから、納品レベルが悪いと放送波に乗った時にひどい音になる可能性はあります。
そうならないためにも、納品時にしっかりしておくのは大事ですね。

また、一部のCS局などでは、マスターに放送用の音声リミッターが無く!、納品素材がそのまんまストレートにOAされてしまう局もありますから、そういった場合は納品時にテレビ視聴に適したダイナミクスにしておかないと話にならない場合もあります。
(以前、番組納品する際、そのチャネルでは聞こえにくい番組や音が大きすぎる生放送やCMが混在していたため局側に問い合わせて判明。 バンク登録時の調整はせず常にNAB規準通りで、不良素材に関してはアナログVU計でピークの過度な張り付きのみチェックして返品していたとの事。う~ん。)

まあ、納品前にOA予定のCSチャネルを自分で視聴契約して他番組まで確認する私もやりすぎですけどね…。


その他、VPや市販用のDVDソフト、Web配信ではダイナミクス処理を伴う音声のレベル管理はもっと大事です。そのまんま視聴されるわけですからね。
各分野での運用上の適正レベルに関しては、安易に表にしてしまうと色々問題あるので…、直接お話しましょう。

しかし、他社さんの事情はよく分かりませんが、NAB規準のままで市販DVDを作ったり、単に音量を上げてしょっちゅうクリップしていたり、お手軽リミッターでペッタンコに潰れた音を良しとしているような映像制作会社さんは少なくないようです。
ちょっと信じられませんけど…。ノーマライズしただけとか、無頓着なところは多いようですね。


話はちょっと逸れますが、一般の方が映像制作会社を選択される際など、音に対する配慮と言う点でも比べてみると良いかも知れません。

なかなか発注してみないと分かりにくい部分ですが、映像制作における音声の品質は、映像も含めエンジニアの技術水準や姿勢が如実に現れる部分だと思いますから、一つの指標として見て良いと思います。
ダイナミクスの処理は、ミキサーの実力も見えてくる部分ですね。

ハイビジョン映像には質の高い音声が必須です。
うちの会社は音も良いですよ~っと (笑)



それからついでにレベルメーターですが、デジタルミックスやデジタル納品がほとんどになった現在、VU計は実際のところあまり役にはたたなくなっています。実際、プロでも詳しくない人のほうがVU計をむやみに神聖化している気が…。

収録やOA用ミックス、MAでは、最終的なピークが気になるものですが、ピーク監視・レベル監視には主にヨーロッパで使用されているこちらのピークメーターが便利です。(国内では一般的ではありませんが、個人的におすすめです)

ヨーロッパの放送局ではこのメーターがよく使われているそうです。
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(C)BBC 英TSL社製。日本ではmtc扱い。

しかし、(たぶん)高そうだし、持ち歩きも不便そう…。

ということで、私のおすすめはフリーソフトのこちら。
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(C)www.darkwood.demon.co.uk

国内では馴染みのないメーターですが、このPPMについてはこちらをどうぞ。(wiki英語版)

「EBU規準」とガッカリすることなかれ、このフリーソフトではリファレンスレベルが変えられるのでNAB、DVD、Webなどのミックスの際にも自分の基準に合わせて使えます。(規準レベルはご自分で設定してください)
反応も早いし見やすくて便利です。フリーのVSTプラグインのVUメーターの類よりも実用的だと思います。
このPPMは3年ほど前から使っていますが、ノートでも動作するので持ち出しでも便利です。デジタルI/Fでつなげれば設定も楽。「4」が0VU。一目盛りが4dBです。
ピークをどこまで許容するかは自己責任でお願いします(笑)。


また、一般用途に適するレベルメーターではありませんが、英BBCの研究所が開発した時間平均のレベルを表示できるメーターソフトが配布されています。
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(C)BBC R&D  「baptools」

サンプル長の異なる時間平均で表示され、音声レベルの平均を視覚的に確認できます。名称はラウドネスメーターですが、ITU-R BS.1770-1771とは異なるようですね。(1770-1にbaptool同様の規格が含まれているかは未確認)
あまりにマニアックだったのではじめは紹介していなかったんですが、業界でもご存知の方は少ないようなので、せっかくなので。
放送用マスターリミッターの設定や、番組全体、番組間の音声レベル傾向の分析に便利だと思います。 (非力なPCだと固まります。C2D以上推奨)


なお、ミキサーやレコーダーなどハードウェアに搭載されているピークメーターでは、放送・業務用でもメーカーや機種によって1/100sec連続、1サンプルでもピーク到達で点灯、ピーク到達サンプルが(n)回連続で点灯、-3dBFS、-1dBFS超えで点灯など様々な仕様のものがありますので注意してください。
私も以前はピークが点灯しやすい機種とそうでもない機種とか、現場で違和感を感じる場合がけっこうあったんですが、メーカーの方に質問してなるほど、と思いました。
(たいていはマニュアルにも書いてありませんので必要な方はメーカーに確認してください)


ITU-R BS.1771のラウドネスメーターについては機会があれば。
(個人的にはあまり必要性を感じていませんけど…)


その他のダイナミクスとしてはsonnox oxford、33609、1178、DPR-402、contour付きのdbxは何でも好きです(笑)。
バンバンバンが面白い
私のブログでは技術ネタは取り上げても番組のことは書いたことがありませんが(色々書きすぎるとまずいので…笑)、たまには番組絡みのネタも。

毎週金曜の昼過ぎ、毎日放送制作で全国28局ネットで放送されている生番組「バンバンバン」てご存知ですか?
坂東英二さんとMBSの山中アナ、毎回いろいろなゲストが季節の風景や旬の味を求めて全国各地から生中継する番組なんですが、これが面白いんです。
1時間の放送時間のうち、山道を歩いたり車で移動したり、ほとんどVTR素材の差込みの無い生中継で、まるで一緒に出かけたかのようにリアルタイムに現場の雰囲気を楽しめます。

VTR取材の番組だと、きっちり編集したうえに限界まで情報を詰め込んだものばかりですが、バンバンバンのゆったり感と緩さは、他の番組には無い面白さがあります。景色などをゆったり見せてくれるのも良いところで、番組内の中継枠とは一味違います。
放送が平日の日中なので、私は毎回予約録画してます。

このバンバンバン、季節や旬のものをリアルタイムに取り上げてくれるのもさることながら、ほぼ全て生放送というところが楽しい理由の一つでもあります。

夏ごろ、番組中に川で素潜りで魚を獲ったり、海でウニを獲ろうという企画の時には、なかなか予定通りに獲れなかったらしく、放送中にも関わらずほとんど会話がなくなったり、マイクを外して声が聞こえなかったり、出演者もバテバテという、他の番組ではまず考えられないような状況になったこともあったんですが、なんとかしようと頑張って、でもぜんぜん思い通りに行かない…。そういうところを隠さない(隠せない)。それがリアルで面白いんですね。

日光からの中継ではカメラマンをかたぐるまで持ち上げてクレーンとか言っていたり、あえて手作り感を見せていました(笑)
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(C)MBS

とは言ってもただ淡々と歩いたり移動しているわけではなくて、坂東さんと山中アナの会話がとても軽妙で(少し噛み合ってないところもまた面白いんですが)、山中アナから伝えられる色々な情報は「へぇー」と関心させられることが多く、坂東さんお約束のゆで卵ネタも楽しいところ。
さらに坂東さんの軽い自虐ネタはちょっと笑ってしまうところです。

番組にうちの会社が関係しているとか、関係者に知人がいるとかで別にヨイショしているわけではなくて(全く関係ないです)、「見たいテレビ番組が無い」とおっしゃる方が激増してしまった時代の中で、バンバンバンは最近ではあまり感じられる番組がなくなってしまった、テレビ本来の面白さが前面に出た番組だと思います。

他局ですが、私が起業する前、テレビの生中継や生放送の現場に出入りしていたのが10年前。ラジオの生放送の現場に居たのが8年ほど前。現在は生放送や生中継などの「生」仕事からは少し離れた位置にいますが、バンバンバンのような「緩さ」を前面に出した演出はちょっとうらやましい気がします。スタッフも楽しいだろうなあ(笑)。


しかしこの番組、ただ緩いわけではありません。よく見ていると最新技術とスタッフの並々ならぬ努力が垣間見えてきます。

オープンカーで明石海峡大橋界隈から中継していた回では、(併走する中継車への伝送はおそらくデジタルFPUで)出演者が乗った走行中のオープンカーからの映像が全く乱れることなく、また車からの映像をさらに中継している中継車が橋の下を何度通過しても全く瞬断がありませんでした。
中継車から衛星経由だったのか、ヘリ受けのマイクロだったのか、仮設の受信ポイントも作って切り替えていたかは分かりませんが、あの安定度はマラソン中継で実績のあるMBSさんの面目躍如ですね。
(今はFPUで無瞬断のダイバーシティがあるのかなぁ? 近いうちに聞けたら聞いてみます…)

また、立山黒部アルペンルートの回や山道を歩く中継などでは、景色の良い場所に何台もカメラを配置していたり、毎回のようにハンディカメラが出演者と一緒にかなりの距離を歩いて移動するという、スタッフの努力と根性は大変なものです。 (カメラはそれぞれ中継車までながーいケーブルで繋がっています)

番組中に説明される情報や解説(制作スタッフの事前取材)がしっかりしているところも番組の幅を広げていますね。

番組をふつうに見ているだけでは裏方の努力はなかなか見えてこない部分ですが、最新技術とスタッフの努力がこの番組を支えているんですね。


「テレビ離れ」が言われだして10年。テレビよりYouTubeをよく見るという方もいらっしゃる時代ですが、まだまだテレビでしか見られない面白い番組はあります。

実は私はディレクターがメインだった時代があるんですが(今でもご存知の方から依頼されると技術を任せてディレクションをしている時がよくありますが…)、テレビもラジオも情報番組などでは詰め込みすぎにならない「生放送」がいちばん明快で良い場合がけっこうあると思います。

私のふだんの仕事でも、ニーズに応じてきっちり「作り込み」はしますが(笑)、「充実」と「情報過多」は違いますから、バランスはとても重要ですね。
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